Posted by Akane Tadaki on June 11, 2020
ヤマピカリャー
随分前に、NHKのBS『ワイルドライフ』という番組で、奄美と沖縄に生きる固有種の生き物のドキュメンタリー番組があり、その中で西表島のイリオモテヤマネコが取り上げられていました。
本日は、生息数わずか100匹前後となったイリオモテヤマネコについて書きます。
イリオモテヤマネコは、沖縄県八重山列島にある面積約290㎢の西表島にのみ生息する、我が国固有種のヤマネコです。(ベンガルヤマネコの亜種)
1匹のイリオモテヤマネコの行動範囲は、メスが約1~3㎢、オスが約2~7㎢。
ご飯は小型の哺乳類だけでなく、両生類、昆虫、鳥類、魚類など、グルメで何でも食べるそうです。
イエネコは水を嫌いますが、イリオモテヤマネコは水を怖がらず、魚を捕る為にどんどん水中に入っていくそうです。
亜熱帯や温帯の湿原や森林に好んで住み、ときに畑や田んぼなど、人間の近くまで出て来ることもあるそうです。
西表島には、昔から土地の人たちにヤマピカリャ―(山で光るもの)と呼ばれる未確認生物がいたそうですが、これはイリオモテヤマネコのことではないかと言われているそうです。
しかし、西表島では昔から、明らかにイリオモテヤマネコでもイエネコのものでもない大型のネコ科の足跡が見つかっていたそうで、別種のオオヤマネコが更に存在していたのではないか、と言われているそうです。
本来大型のネコ科の生き物は、その生態系を維持するために広範囲にわたる土地を必要とします。
しかし、西表島の面積はわずか約290㎢。
わずかな範囲の島に、大型のネコ科の生き物が生息していることは世界的に見ても大変珍しいそうです。
しかし、近年にかけて西表島のリゾート観光開発や工事による生息域の減少。
また、なわばりを回る際に道路を横断しなければならず、交通事故にあってしまったり、人間の仕掛けたイノシシ漁の罠にかかるなどして、その頭数は激減し、現在推定100匹前後にまで減ってしまいました。
100匹というのは生物学的に、生き物がその生態を維持するのに困難になる数と言われています。
頭数が少ないことから、子孫を残せる適齢期のオスとメスの頭数は更にごくわずかです。
また、適齢期のオスメスがいたとしても、2匹が出会る確率は格段に低くなります。
頭数が少ない事から、近親間の交配により異常のある子供が生まれたり、病原菌や病気が発生した際の抵抗力の異常、減退も危惧されているそうです。
イリオモテヤマネコは現在、IUCN(国際自然保護連合)と環境省レッドリストにおいて、絶滅危惧種IA類、CR(Critically Endangered)(絶滅寸前種)に設定されています。
このことを受け、現在西表島では行政や住民が一丸となってイリオモテヤマネコの絶滅を防ぐ活動を行っておられるそうです。
ヤマネコの交通事故を減らすために、幹線道路の下に野生動物横断用のアンダーパスウェイを作り、現在島内に100近く設置されているそうです。
野生生物との共存のために人間が知恵を出し合い意識を向け続けていれば、きっと彼らと共存できる道は見つかると思います。
わたしたち個人でも、野生生物の為にできるアクションは沢山あります。
保護団体に寄付をしたり、ボランティアで保護活動をしたり、多くの人に知って貰うために現状をじぶんの言葉で伝えたり。
本日は、西表島に生息する固有種・イリオモテヤマネコについて書きました。
ここまで読んで頂け、ありがとうございました☆