Posted by Akane Tadaki on May 28, 2020
ウナギのおかれている現実②
先日、二ホンウナギのおかれている現実について書きました。
本日はその続きで、二ホンウナギを取り巻く違法漁業、取引の現状について学んだことを書きます。
わたしたちの食卓に並ぶウナギは、稚魚 (シラスウナギ)の時に海で漁獲され、その後養殖されている半養殖魚です。
近頃、完全養殖に成功したというニュースも記憶に新しいです。
2007年まで、日本は自国の資源の減少を補うため、養殖の為のシラスウナギを台湾から輸入していました。
しかし、2007年に台湾において一定の期間、シラスウナギの輸出が禁止となり、輸入量ががくっと減ったそうです。
2007年からは、日本に合法的に輸出するために、台湾のシラスウナギはいったん香港に輸出し、香港経由で日本に入るようになりました。
香港ではシラスウナギの漁を行っていないのにもかかわらず、香港から日本に輸出されるというグレーなルートがこのときからできてしまったそうです。
また、2016~2017年の間に、養殖の為に国内で漁獲されたシラスウナギの量の約半分近くは密猟、報告のない漁業が由来のシラスウナギだったと指摘されているそうです。
密猟には日本の反社会勢力なども深く関わっているそうです。
このように、わたしたちの食卓に並ぶウナギはグレーなルートで取引されたものや、違法性があるものが、高い割合で含まれているようです。
また、二ホンウナギよりさらにもうひとランク、レッドリスト区分の高い、ヨーロッパウナギ(ThreatenedレベルCR)も現在日本に輸入され、流通されています。
この危惧レベルの区分はなんと、日本のトキと同じレベルです。
きちんとした取引の管理下のもと、規制も早急に整備しなくては、世界中のウナギはごく近い将来獲り尽くされてしまいますね><
わたしもこのことを知る前は何も考えずにウナギを購入していました。反省…。
消費者は、ウナギがおかれた現実を知ったうえで、慎重な購買行動を求められるようになりました。
問題がもっと明るみになり、グレーなルートも規制され、資源としてのウナギが持続可能な状態になるように。
また、希少生物としてのウナギの個体数が無事回復するように。貴重な種が今後も守られるように。
そう願いながら、今じぶんにできる唯一のこと「現状を伝える」を書かせていただきました。
読んで頂けありがとうございました^^
参考資料:二ホンウナギの生息状況と日本におけるウナギ養殖・販売の現状(認定NPO法人 野生生物保全論研究会様)