Posted by Akane Tadaki on May 22, 2020
ウナギのおかれている現実①
二ホンウナギ 学名:Anguilla Japonica
我が国日本には、夏の「土用の丑」の暦があり、毎年この時期になるとウナギを食べる方が多いと思います。
わたしもウナギは美味しく大好きで年に一度程食べています。
しかし、毎年のように不漁が話題になり、価格は高騰しています。
日本、中国、韓国、台湾など、東アジアに生息する二ホンウナギは近年、数の激減が深刻になっています。
2013年、環境省は二ホンウナギを絶滅危惧ⅠB類に。
2014年には、国際自然保護連合(IUCN)が絶滅危惧ⅠB類(Endangered)に区分しました。
日本における絶滅危惧ⅠB類は、アマミノクロウサギやライチョウたちと同じレベルです。
ウナギの激減の理由は、下記のいくつかの理由が重なっているそうです。
ひとつめはウナギが育つ環境の悪化です。
うなぎが育つ河川や河口の人為的な工事や、水質汚染が原因となり、その生息域の70%はすでに失われたと報告されています。(ウナギが海から遡上してくる際、河川にある人口的な段差が40cmを超えると、ウナギが登ることが出来なくなるそうです。)
ふたつめは回遊する海洋の環境変動です。
ウナギは長距離を移動する回遊魚ですが、(のちに成長の過程を詳しくご説明します^^)温暖化や海流、風の影響が、生息数の変動に大きく影響します。
みっつめは過剰な漁獲数です。
現在私たちの食卓に並ぶウナギは、稚魚(シラスウナギ)のときに漁獲され、その後養殖され大きくなったものです。もともとは天然の環境でうまれ育った稚魚を漁獲して育てる、半養殖の方法がとられています。この稚魚の過剰な漁獲数が問題になっています。
二ホンウナギの希少さがこれだけ報道されている一方で、スーパーにはこの時期、たくさんのパック詰めされたウナギが並び、催事商戦も当たり前のように行われています。
また、売れ残ったウナギの廃棄量の想像を超える莫大さにも心が痛みます。
一体なぜ、これほど資源としても希少種としてもウナギの保護が必要な中、スーパーにはたくさんのパック詰めウナギが並び、売れ残ったものは廃棄されていくのか、長い間不思議に思っていました。
そこにはあまり知らされていない、違法取引や流通のグレーな闇があるようです。
このことを書かせていただく前に、二ホンウナギの回遊という名の大冒険について書きます。
日本海域にいる二ホンウナギは、太平洋マリアナ諸島の近海で卵からかえります。
その際、ウナギの赤ちゃんはレプトセファルスという幼生の体系をしています。
その後、西へ移動し、フィリピン沖を通って台湾の東方沖にやってきます。
まだ泳ぎの弱い幼生は、この海域の大きな渦に巻き込まれて、もみくちゃにされながら海を漂います。
この海域が、二ホンウナギの故郷ではないかと予測されているそうです。
その後、シラスウナギと呼ばれる稚魚になり黒潮の流れにのって我が国・日本へやってきます。日本へ到着後、ウナギたちは懸命に川を遡上し、成長・成熟していきます。(海洋で成長したのち、川に遡上し産卵するシャケとは真逆の動きですね^^)
そしてまた海洋へ出て太平洋を大冒険し、卵を産んで、海でその一生を終えます。
本来このように、二ホンウナギは黒潮や海流をつかって大海原を旅しながら成長する旅人なんです^^
天然のウナギはもう数は少ないとは思いますが、日本へ戻って来たら「おかえり」と「いってらっしゃい」を言ってあげたいですね^^
長文でしたが、ここまで読んで頂けありがとうございました☆。
次回へ続く…